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経理シェアードサービス導入のメリットとデメリット〜業務効率化の先にある課題と可能性〜

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経理シェアードサービス導入のメリットとデメリット〜業務効率化の先にある課題と可能性〜

企業の成長に伴い、経理業務の複雑化とコスト増加は避けられない課題です。こうした中で注目されているのが「経理シェアードサービス」の導入です。複数拠点に分散していた経理業務を一つのセンターに集約することで、効率化と品質向上を図るこの仕組みは、グローバル企業を中心に広がりを見せています。
経理業務の標準化は、単なる業務効率化の手段ではありません。企業全体のガバナンス強化、部門間連携の円滑化、さらには企業価値の向上にもつながる重要な取り組みです。特にシェアードサービスの導入においては、標準化が成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。

本稿では、経理業務の標準化が組織全体にどのような影響を与えるのかを、実務的な視点から掘り下げ、経理シェアードサービスの導入によって得られるメリットと、見落とされがちなデメリットについて、実務的な視点から整理します。

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経理業務のシェアード化とは

経理業務のシェアード化は単なる業務集約ではなく、「品質管理」と「内部統制」の強化が重要なテーマとなっています。業務の標準化や自動化が進む一方で、ミスや不正のリスクをどう防ぐか、サービス品質をどう維持するかが問われています。経理シェアードサービスにおける品質管理と内部統制の実践方法について、具体的なポイントを整理します。

 

品質管理のポイント

SLA(サービスレベル合意)の設定

業務ごとに処理時間・正確性・対応スピードなどの基準を明確にし、関係部門と合意を形成することで、期待値のズレを防ぎます。

KPIのモニタリング

処理件数、エラー率、対応時間などの指標を定期的に可視化し、改善活動につなげます。ダッシュボードの活用も有効です。

フィードバックループの構築

現場からの声を定期的に収集し、業務改善に反映させる仕組みを作ることで、サービス品質の向上につながります。

教育とナレッジ共有

業務マニュアルの整備、OJTの仕組み、FAQの蓄積などにより、担当者のスキルと対応力を底上げします。

内部統制の実践

業務分掌と承認プロセスの明確化

入力・承認・支払などの業務を分離し、チェック体制を構築することで、不正や誤処理を防止します。

ログ管理とアクセス制限

誰がいつ何をしたかを記録し、必要な人だけが必要な情報にアクセスできるようにすることで、情報漏洩や改ざんリスクを低減します。

定期的な監査とレビュー

内部監査や第三者レビューを通じて、業務の健全性を確認し、改善点を抽出します。

リスクマネジメントの仕組み

業務上のリスクを洗い出し、発生確率と影響度に応じた対応策を事前に準備しておくことが重要です。

 

経理業務のシェアード化のメリット
~業務の質と効率の両立~

1. コスト削減

業務の集約により、重複していた人員やシステムの統合が可能となり、固定費の削減につながります。特に人件費の最適化は、経理部門の大きな課題解決となります。

2. 業務の標準化と効率化

業務フローや帳票類を統一することで、処理時間の短縮やミスの削減が可能になります。特に複数拠点で同様の業務を行う場合、標準化は大きな効果を発揮します。統一されたプロセスにより、属人化を防ぎ、処理スピードと正確性が向上します。マニュアル化やチェックリストの整備も進み、教育コストの削減にも寄与します。さらに業務が標準化されていると、教育や引き継ぎがスムーズに行えます。属人化を防ぎ、組織としての持続可能性が高まります。

3. 専門性の向上

経理業務に特化した人材が集まることで、知識の蓄積と共有が進み、業務品質が向上します。専門性を活かした高度な対応も可能になります。

4. ガバナンス強化

標準化された業務プロセスは、監査対応やリスク管理の面でも有利です。誰が、いつ、何をしたかが明確になり、不正の防止にもつながります。内部統制や監査対応が一元化されることで、透明性が高まり、法令遵守の徹底がしやすくなります。リスク管理の面でも有効です。

5. テクノロジー活用の促進

RPAやAIなどの最新技術を導入しやすくなり、業務の自動化が加速します。これにより、人的リソースをより付加価値の高い業務へとシフトできます。

経理業務のシェアード化デメリット
~効率化の裏に潜む課題~

1. 現場との距離

センター化により、各事業部とのコミュニケーションが希薄になり、現場のニーズに即応できないケースが増える可能性があります。

2. 柔軟性の低下

標準化が進むことで、個別対応が難しくなり、特殊な処理や例外対応に時間がかかることもあります。

3. 導入コストと移行リスク

初期投資や体制構築にかかるコストは無視できません。また、移行期には業務停滞や混乱が起こるリスクもあります。

4. 人材のモチベーション低下

業務が細分化・単純化されることで、やりがいを感じにくくなる人もいます。キャリアパスの設計が重要になります。

5. 文化的・地域的な違いへの対応

特にグローバル展開の場合、言語や商習慣の違いが業務に影響を与えることがあります。多様性への配慮が求められます。

標準化がもたらす副作用とその対策

柔軟性の低下

すべてを一律にすると、現場のニーズに対応しづらくなることがあります。例外処理のルールを設けるなど、柔軟性を持たせる工夫が必要です。

現場の反発

「今までのやり方が良かった」という声は必ず出ます。現場の声を聞きながら、段階的に導入することが成功の鍵です。

標準化の形骸化

ルールは作ったが守られていない、というケースも。定期的な見直しと、運用状況のモニタリングが不可欠です。


成功のポイント:現場との協働と継続的改善

標準化は「一度やって終わり」ではありません。現場の声を反映しながら、継続的に改善していく姿勢が重要です。経理部門だけで完結させず、他部門との協働を通じて、全社的な業務品質の向上を目指すべきです。経理シェアードサービスの導入は、単なる業務集約ではなく、組織全体の運営スタイルを見直す契機でもあります。メリットを最大化するためには、現場との対話を重ね、柔軟性を持たせる工夫が不可欠です。また、導入後も継続的な改善と人材育成を怠らないことが、長期的な成功につながります。


まとめ

経理シェアードサービスは、効率化と品質向上を両立させる有力な手段ですが、導入には慎重な計画と組織的な対応が求められます。メリットとデメリットを正しく理解し、自社にとって最適な形を模索することが、経理部門の未来を切り拓く第一歩となるでしょう。BIZUTTO経費は、複数法人を同一テナントで契約ができるライセンス体系となっています。また、テナント管理者が 法人毎の管理も行うことができます。そのため、グループ企業での導入やシェアードサービスを展開している経理部門 への導入に適したそクラウド型経費精算サービスとなります。

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